464056 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

一緒に歩こうよ。~特別養子縁組しました。~

一緒に歩こうよ。~特別養子縁組しました。~

家族としてのはじまり

家族の初めてとこれからと

土曜日の午後ぱんだが息を切らして病院にやってきた。
玄関まで迎えたぷりんとおくるみに包まれたラオウを見て
涙をながさんばかりに喜んだ。
初めての抱っこ。
その姿をカメラに収めた。ラオウはちょっと「抱っこ」の
仕方が気に入らなかったのかぐずったりしたのだけど。
新米パパだから仕方ないよね。
病院にいる間にプリンは子育てに関するレクチャーも産後の
お母さんたちに混じって受けることになった。
緊張したけどラオウのため。ママになるためと乗りきった。
土曜日の3時のおやつが配られるときに
何気に病院の廊下を歩いていた。
ふと目についた病室の入り口が開いていた。
横顔のきれいな方の姿が見えた。
ああ・・出産前かな?あとかな?と思って
名札を見たら・・・
そこにはラオウの実母さんの名前が表示してあった。

ありがとうございます。
心で何度もつぶやいた。声には出せなかった。
ほんの1分も扉はあいてなくてすぐに閉じられたのだけど・・
なんとなくラオウに面影があるような・・
そんな気がした。
いつか真実告知をするときにきっときっと伝えます。
ラオウのお母さんはとてもきれいな人だったんだよと・・

翌日早朝に病院を後にすることになった。
看護婦さんに退院の時に一緒に写真を撮ってもらった。
いつかまたここに戻ってきます。
大きく育った息子を見せに行きますと伝えた。
沢山の荷物を宅配便に出しタクシーに乗り込んだ。
来たときは大雨だったのにその日はやっと雨が上がって
緑の木々が輝いていた。

電車に乗り込みぱんだのお父さんに連絡。
とても喜んでいた。名前を伝えると
「そうかそうかかわいい名前だなぁ」
そう言ってくれた。
どちらかというとラオウの名前は男の子にしたら
珍しいかもしれないけど
一生懸命考えて苗字に合った画数で・・と
何度も考えて決めた名前。とても大事な名前。
ぱんだ夫婦から初めてのプレゼントの名前。
ラオウも気に入ってくれたらいいなぁって思う。
帰宅の道のりはとても天気が良かった。
最寄りの駅までついて電車を乗り換えた。
長時間の電車の旅なのにラオウは全く動ぜず
寝ているだけだった。

自宅に戻ってドアを開けて
ラオウを用意していたベッドに寝かせた。
ぱんだは覗きこみながら「かわいいなぁ」と
つぶやいていた。
プリンは調乳ポットを用意してこれから始まる自分が中心になる
育児に戦々恐々。
毎日笑顔でいられるかな?
頑張れるかな?

でもこの子はもう私達のところに来た。
私達だけしか頼るものはいないんだ。がんばって
育てていかないといけない。
責任重大だねぇとぱんだと笑ってしまった。
翌日からパンダはお仕事。プリンは毎日の育児とホテルに
預けたわんこを迎えに行った。
わんこはとてもけげんそうにラオウを見ていたし近付かなかった。
プリンはアレルギーが出ないことだけを祈ったけど
どうやら大丈夫みたいだった。
親子としての毎日が始まった。4日ほど過ぎて待ちに待ったものが
送られてきた。
ラオウの住民票。実母さんの母子手帳。
それを持っていって役所で手続きをしなくてはいけない。まずは子供を
迎えての第一ハードル。
ぱんだに仕事をお休みしてもらってドキドキしながら
手続きに向かった。
市役所での住民票の手続き
国民健康保険の手続き
児童手当の手続き
そして保健所に行って母子手帳発行してもらう手続き。
窓口で特別養子縁組予定だということを説明して
対応してもらった。
慣れているのかもしれないけどスムーズに対応してもらって
なんだかほっとした。
3時ごろ帰宅してほっと一息ついたときに
ぱんだの携帯が鳴った。

ぱんだの母が入院している病院からだった。


前へ次へ


© Rakuten Group, Inc.